特集 アルコール中毒
地域保健活動とアルコール中毒—主として保健所活動の体験から
増田 陸郎
1,2
1昭和女子大学公衆衛生学
2元目黒保健所
pp.324-331
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205607
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はじめに
このたび本誌で「アルコール中毒」の特集が企画され,表題でのアプローチを求められた.目黒保健所では,昭和46年4月からアルコール中毒者に対する「断酒学級」を開設して,今日に至っている.その詳細については,本誌40巻10号(昭和51年10月)に「保健所における断酒学級」として述べらいるので,今回は,これと重複しない範囲で述べたい.
今や,私たちが,断酒学級を始めた当時とは異なり,地域社会においても,地方自治体においても,国においても,アルコール中毒対策に前向きの姿勢ができ上がっている.まさに時至れり,の感がある.福祉(福祉事務所)においても,公衆衛生(保健所)においても,この時流に乗り遅れないためには,本問題の特殊性を理解した上で,その重要性とともに,今日なぜこれが大問題になりつつあるかに思い至らなければならない.以下,この順を追って述べてみよう.
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