保健所機能の新たな展開—飛躍する保健所
米子保健所の地域活動
角 忠明
1
Tada-aki SUMI
1
1鳥取県米子保健所
pp.427-430
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900366
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■はじめに
30年に近い基礎医学の研究と教育の歳月を経て,公衆衛生の現場に踏み込んでから,今夏で11年が過ぎる.国内外の大学や研究所を移ったり,極く短期間,自家の病院の診療や運営にも携わったが,行政の領域は初めての経験であった.
そんなわけで,結核研究所や公衆衛生院の研修を終え,保健所の雰囲気になじめるようになってからまでも,度々大学への復帰を強く勧あられた.しかし心の奥では,すでに初老期に入っている自らの生涯を考え,父祖の地にこの骨を埋めようと堅く決意していた.それまで米子の地に放置し,迷惑をかけ通しであった家族や周囲の人びと,大きくいえば,自らを育んでくれた故郷へのささやかな報恩の思いもあった.とにかく,その夏,私は歩み始めた.
今,ここに,編集子からの慫慂に意を決し,一歩ずつを数えるようにして印した私の足跡を振り返りながら,所員一体となって取り組んできた活動の一端を述べてみる.
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