研究
効果発現時点の個体差
増山 元三郎
1
1東京理科大学応用数学
pp.712-715
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205493
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I.はじめに
公害・薬害対策に関する研究に引き出され,情報処理を分担させられたのを機会に,生化学的個体差に関してどんな通則が成立っているかを調べてみた1)3)4)5)7).はっきり見当がついていた訳ではなかったので,化学現象と関係のあると思われる特性値について,片端から個体ごとに測られた値の分布関数と標準偏差とを計算した.
血液(あるいは血漿あるいは血清)の常成分,あるいはその中の異物の濃度Cの対数をとると,
X=lnC‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(I・1)
の分布は正規型で近似できるものが多かった.すなわち,C自身の分布としては対数正規(LN)型が多かったが,少数の物質のCは正規型の方がよい近似を示し,残りのごく少数は多型性を示していた.多型母集団の場合でも,正常集団と,変異集団と,その中間にある異型接合子を持つ集団に分けられる場合には,正常集団での分布にはLN型が適合しているように見えた.
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