特集 病院のゴミ戦争
各病院にみるゴミ処理の実例
実例・2—済生会中央病院
ゴミ発生の時点で処理を考える
吉川 遼
1
1済生会中央病院
pp.39-40
発行日 1972年6月1日
Published Date 1972/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204680
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病院におけるゴミ処理は,毎日のことながら,頭を悩ますことの1つである.ここ10年間の都内のゴミ量は2.5倍にふくれ上がり,生活環境を脅かすまでになってきている.経済成長の産物といえる産業廃棄物は,家庭のゴミの10倍ともいわれ,病院といえども,この例にもれずという現象を来たし始めたのである.
都心にあって,焼却炉を持ちながら,どんどん燃やしてすむものではなく,それが公害につながらないものでも,ともかく,黒い煙が出ようものなら,早速,病院周辺の民家から投書や電話があって,おちおち,焼却炉も使えない現状である.そうかといって,出るものすべてを捨てて院外へ搬出するには,それ相当の保管場所,保管方法,さらに経費面も考慮せねばならず,病院の経済を図りながら,どのようにしてこのゴミ戦争に立ち向かわねばならぬかということになった.数年前,職業がら,病院から出るゴミが,どのように運ばれ処理されているのかを,都清掃局の人と,現在の埋立地である15号埋立地と,最も新しい焼却処理工場を見学したことがあったが,陸から,海から運ばれるゴミの山をみて,将来,東京のゴミは,一体どうなることであろうと思った.
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