特集 生涯教育
公衆衛生従事者からの提言
保健所医師の立場から
簑輪 真澄
1
1石川県輪島保健所
pp.679
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205477
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筆者に課せられたテーマは,保健所医師としてどのような生涯教育を必要としているかを考えることであろうと思われるが,一般論はさておき,ここでは自分自身の置かれた状況を分析し,それに対してどのように対応すべきかを考えてみよう.
筆者がこれまでに受けた卒後研修は,国立公衆衛生院専攻課程医学科と結核予防会結核研究所の長期コース医学科であり,インターン制度廃止後の登録医制度に基づく臨床研修は受けておらず,大学院で学んだこともない.筆者の受けた2つの研修は,あくまで保健所医師として,公衆衛生の,あるいは結核対策の極く基本的な訓練を行うものであり,時には通り一遍の講義もあり,大いに不満を感じたものである.しかしその責は,研修を行った機関にあるのではなく,むしろ,一方では超医学的で学際的な学問であり,発展途上学とでも言える未熟な公衆衛生学の基本を,極く短期間に教育することの困難さにあるのである.
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