連載 図説 公衆衛生・3
保健医療サービスの供給機能
安西 定
1
,
高原 亮治
1
,
川口 毅
2
1厚生省統計情報部衛生統計課
2国立公衆衛生院疫学部
pp.149-152
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205342
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
公衆衛生の向上と医療,リハビリテーションの供給機能を確保するために,保健所や病院・診療所など施設の整備,医師,看護婦など保健医療関係者の養成訓練のほか,関係法令,組織体制の整備,必要な財源の確保など,総合的な施策を展開し,今日まで長年にわたって国民的努力が続けられ,相当な成果をあげてきた.しかし,最近,医療技術と情報科学の進歩,国民の健康観の深化,人口の老齢化,感染症の激減と循環器疾患の増加を主因とする傷病像とヘルスケアーの質的な変化,救急医療,へき地医療,難病など特殊医療の確保の必要性など,これらの問題に伴つて,保健医療に対するニードとデマンドは際限のない増大傾向を示しつつある.これに対し,保健医療サービスを提供する供給機能には,人的,物的にも限界があり,その間には相当なへだたりがあって,危機的な様相を呈しているといえよう.
真に必要な保健医療サービスの供給機能を確保するために,新たな施策が要請されているが,これが,そのなかで供給機能体制の整備計画の重要性が強調されているゆえんである.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.