特集 保健医療計画と情報システム
地域保健における情報システムの問題点—自動化多項目検診(AMHTS)の利用を通して
子安 崇雄
1
1岐阜県立健康管理院・岐阜大学医学部衛生学教室
pp.205-212
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205352
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はじめに
筆者は,システム,システム工学,システム論,システム化などという学問的あるいは実践的領域については,必ずしも得意とするところではない.むしろ不得手といった方がいい.しかし,岐阜県立健康管理院を職場として,いわゆるAMHTS(自動化多項目検診)システムなるものの運用,利用に頭を悩ますようになって4年,集団健康管理活動のトータルシステムとは何か,その中にしめるAMHTSシステムの位置づけ,機能は何か,などについて,実践を通じて思索する機会を許された訳である.最近,筆者なりに,そのあたりをかなり明確にでき得た,と考えている.そこで.上記の課題について執筆依頼を受けたのを好機に,「地域保健活動システム論」を展開し,関係諸氏の御批判を待ちたいと考える.
システム化とは,「ある目的,あるいは与えられた目的を達成するために,より効果的,能率的に,より明確に,人や物の組み合わせを創り上げること」であると考える.別の言い方をすれば,システムとは,「目的実現の最も適当な方法であり,できるだけわかりやすい仕組み」のことである,と.
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