特集 保健所改革のポイント
保健所の財政問題
山本 晴男
1
1地方職員共済組合
pp.562-564
発行日 1971年9月15日
Published Date 1971/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204341
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保健所問題の財政的側面
保健所のあり方をめぐり,その抜本的な検討が試みられている.近年の保健所行政への住民欲求の質的変化と量的増大に対処し,これに適応するための保健所機能の新しい転回がその中心課題であろうが,このための問題点を仮に大きく分けると,一つは保健所をめぐる諸条件の著しい変化をどのように捉え,いかにして保健所機能をこれに適応させていくかの具体的措置の問題と,他はこれと不可分な関連において現在保健所がその運営上において持つ問題点をどのようにして解決していくかの問題に帰着する.この場合今後の保健所行政そのもののあり方について論をなすことは私の任ではない.ここでは主としてこの行政に関する財政的側面から問題の所在とその対策を私なりに考えてみたい.
今日,保健所活動の直接の衝に当っておられる人びとから「保健所予算の不足」が訴えられている.地方団体の財政機能は,公共サービスの提供につきるのであるから,予算不足ということは保健所が提供しようとする公共サービスに必要な資源を確保することについて,財政が十分に機能していないということである.およそ財政の問題は,その団体に配分された資源の総量と,これの各行政諸活動への配分との両面において捉えなくてはならない.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.