特集 大学病院
大学病院の財政構造
山元 昌之
1
1名古屋大学病院事務部
pp.261-265
発行日 1960年4月1日
Published Date 1960/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201641
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序
健康保険の普及に伴つて,大学病院の財政は非常に歪められたものになり,既に数年来,当事者の苦悩するところとなつている。大学病院には,他の一般病院には見られない純消費的な費用があり,これが大学病院の特性である。この消費的費用を適正に支弁する道が確立されていないところに苦悩の原因がある。更に近い将来,国民健康保険の全面的な実施によつて,国民皆保険が実現しようとしている。今にして大学病院の財政構造を確立しておかなければ,大学病院の経営が行詰ることは必至である。そこで大学病院の財政に検討を加え,あるべき財政構造を画いたのがこの小文である。関係諸賢の関心を得て大学病院の正しい経営に寄与することができれば,筆者の幸いこれに過ぎるものはない。
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