調査報告
長野県下,精神薄弱者収容施設におけるフェニールケトン尿症
草野 文嗣
1
,
西郡 光昭
2
1信州大学医学部公衆衛生学教室
2長野県岡谷保健所
pp.319-320
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204269
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はじめに
フェニールケトン尿症は,フェニールアラニンの先天的な代謝障害によって,精神薄弱をひきおこす劣性の遺伝性疾患である.本症によって,現在までに不幸にして精神薄弱者となった人びとが多く存在し,また今後も同様の経過をたどる不幸な人びとが生まれる可能性は十分にある.
しかし,最近では,乳児期の初期に尿検査を行なうことによって本症が簡単に発見でき,治療食を与えることによってその精神障害を避けることができるようになったことは,非常に喜ばしいことである.
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