人にみる公衆衛生の歴史・4
石黒 忠悳(1845〜1941年)—軍の衛生行政の確立
川上 武
1
,
上林 茂暢
1
1杉並組合病院内科
pp.299
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204262
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公衆衛生の歴史に石黒忠悳をとりあげるのは,奇異の感をあたえるかもしれない.だが,日本医学の近代化は軍事的要請を軸としておこなわれ,衛生学においても例外ではなかった.むしろ,衛生学・予防医学では,問題解決をリードするのはつねに軍であったといってもよい.
衛生学のこの体質は,戦後の民主化のなかで克服されたかのようにみえたが,最近の防衛医大の構想,一部大学での軍学共同の研究をみると,その根はふかいことがわかる.
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