海外の医学教育
アメリカの医学教育(1)—2,3の大学の場合
土屋 健三郎
1
1慶大・衛生学公衆衛生学
pp.459-464
発行日 1969年8月15日
Published Date 1969/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203928
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他の国の場合とちがって,アメリカにおける医学教育についてはこと改めて紹介の必要はないと思われる.戦後から今日に至るまで多くの医学教育者・研究者が渡米し,実際に医学教育を見聞し,多くの論文も書かれ,むしろ大幅にアメリカ式教育がわが国にとり入れられてきた.したがって本文を書くことも気がひけるのであるが,たまたま昨年4月1日から訪問教授として(シンシナティ大学でFacultyの1人として)医学生やMPH(Master of Public Health)およびPh. D(Doctor of Philosophy)のCandidate教育に関係したので,その経験の一部をここに紹介し読者の参考になれば幸いである.
だいたい1年や2年アメリカに滞在したからといって,アメリカの医学教育の全貌がわかり,また細部を詳しく知ることは不可能といってよい.わが国の場合よりもそれぞれの大学における特色がずっとはっきりしているので,各大学によって医学教育の方針や方法が非常に異なっているからである.だからこの小文の題も"アメリカにおける2,3の大学の医学教育"としたほうがよいと私には思われる.とにかく以下述べることは私が感じた印象であって,それが事実であるとか,良いとか悪いとかというものでない.
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