あんてな
大学教育における自己評価;長崎大学の場合
土山 秀夫
1
1長崎大学
pp.56
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103673
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1.経過と特徴
今でこそ全国の多くの大学で,大学における「自己点検・評価」は合言葉のように唱えられるまでになった.大学審議会の答申を受けて,大学設置基準の条件の一つに取り上げられるようにもなったからである.しかし私たちの大学では,大学審議会の答申が出されるよりもずっと早く,1988年に長崎大学独自の自己評価制度を導入することが提案され,翌1989年1月には「自己評価に関する検討委員会」が設置された.そして同年3月に第1回の委員会が開催されて以来,約3年間にわたる審議の結果,1992年2月に最終答申が出されるに至った.この3年間もかけた審議こそ,委員会ごとに討議をその都度各部局に持ち帰り,次回に部局の意向を反映させることの繰り返しに要した期間であった.またその間,1991年6月には中間答申が提出され,1992年1月には全学公聴会も開かれている.したがって最終答申が出された段階では,自己評価の内容全体について学内構成員が十分に理解した上,全学の合意事項としてそのまま実施に入れる態勢が完了したことを意味している.往々にしてみられやすい“総論賛成,各論反対”の弊害を防ぐための手段ともなったのである.
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