特集 Health Manpower
Health Manpowerに意見する
現状打開のために—保健婦の立場から
上村 聖恵
1
1高知県厚生労働部医務課
pp.407-408
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203754
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保健婦の現状
昭和16年,保健婦規則により初めて保健婦が誕生し,同23年,保健婦助産婦看護婦法の制定により,法的に飛躍的な制度ができてから満20年になる。この20年の間に,全国の保健所網が整備され,同時に,公衆衛生の1分野を受持つ保健婦も,充足されてはきているものの,現在ほど多くの問題を孕んでいる時はないと思われる。
地域を担当している保健婦を所属別にみると,保健所保健婦6012人,国保市町村保健婦5994人,開拓保健婦177人合計1万2183人(昭和41年末調べ)で,保健婦1人の平均受持人口は8141人である。しかし,これは全国の市町村で人口・面積・交通事情,あるいは地域のneedなど考えられた配置によるものではなく,あくまでも平均の受持人口である。東京・大阪のように,平均1万6000人以上のところもあれば,山形のように3000人ぐらいの県もある。また全国3569市町村のうち,1人も保健婦を設置していない市町村が938(昭和40年調べ)もある。その未設置の理由をみると,市町村側に採用の意志はあるが希望者のない場合と,全然採用の意志のない場合がある。前者の場合の理由の大部分は辺地のため,待遇が悪い,辺地である上に待遇が悪い,によるものである。全然採用の意志のないもののうちでは,予算的措置ができないものがほとんどで,わずかではあるが保健婦設置必要なしもあった。
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