論叢 保健婦活動の前進のために
地区活動にこそ重きをおけ—行政官から
佐々木 忠正
1
1川崎市衛生局
pp.690-691
発行日 1964年12月15日
Published Date 1964/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202945
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家庭訪問の比重近年わが川崎市では保健婦の家庭訪問の比率が低下しているように思われたので,10年間の年報から拾って推移を見てみた。第1表のように,業務単位の上で家庭訪問の占める率は高い年で29%,低い年で18%程度であったが,36年などは最低で14.8%,1人1カ月の家庭訪問単位は僅かに6.6(3.3日)であった。
必ずしも家庭訪問万能とは考えないが,一部の保健婦のいうように,「苦労して訪問しても不在が多く非能率に過ぎる,むしろ保健所へ呼んで所内面接した方がよい」との考え方には賛成できない。たしかに当市のような勤労者の都市で共稼ぎ夫婦の多いところでは,せっかくの訪問も不在のことが多いと思われるが,その頻度は13.4%(第2表)で家庭訪問の意義を否定するほどの数字ではない。
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