連載 チーム医療の現場から医療制度を考える・6
これでも,政府だけに任せておける?
本田 宏
1
1埼玉県済生会栗橋病院・外科
pp.469-472
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901654
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熱い議論と現実の間で
今年の日本外科学会は,八重桜やしだれ桜が満開の京都国際会議場で開かれた。おそらく看護関係の学会でも同様と思われるが,当学会でも,「セーフティマネジメント」の特別シンポジウムが企画された。演者は医師以外に行政や法律そして司法側からも招かれ,多方面からの話し合いがもたれた。その他,「外科教育と専門医制度」や「無作為比較試験:Randomized Controlled Trial」等についても,より質の高い医学教育や治療法の開発に向けて,熱い議論が戦わされた。
しかし,フロアでこれらを聴いていて,どのセッションにも共通していたのは,ごく一部の限られた施設を除いては,大学病院クラスでさえ,問題解決のための予算もマンパワーも不足しているという現実であった。そのため,それぞれの演者が苦労して導き出した結果も,第三者的には評価されにくい構図になっていた,そう感じたのは筆者だけではないと思う。
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