綜説
日本人の発育について(その2)
沢田 芳男
1,2
1熊本大学
2熊本大学体質医学研究所
pp.307-319
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202829
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5.時代差
A.児童生徒の体格の向上:児童生徒の体格は昭和36年度に比べて37年度は一段と向上している。特に男子中学生の身長の伸びは著しい。同年齢の児童生徒について36年度と37年度の体格の平均値を比較すると表17に示すように,男子14才の身長は0.9cm伸び,体重も男子14歳で0.7kg増えている。女子の身長は12歳で0.6cm伸び,体重も0.3kg増えているが,それより14歳の増加の方が大きく0.4kg増えている。胸囲も全般に向上している。
昭和32年度と36年度の男子身長について六大都市と他県の値を比較すると,つぎの表18に示すように,六大都市の値は他県の値より両年度とも各年齢において高い値を示し,その差の最高は14歳で,32年度は2.2cm,36年度は2.5cmである。36年度の値は32年度の値より各年齢とも高い値を示している。なお六大都市と他県との身長の格差は8歳と18歳を除く年令において,32年より36年の方が大きくなっていて,この両年度の成績からは,地域別格差の縮少する傾向はうかがえない。
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