正常値
日本人の血圧
平尾 正治
1
1第一生命保険相互会社査定課
pp.132-133
発行日 1964年4月10日
Published Date 1964/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200250
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戦前の状態にもどつた日本人の血圧
日本人の血圧にも地域差のあることは,佐々木教授1)らが述べているが,ここでは全般的な問題として論ずる必要があり,そのための統計資料として厚生省の国民栄養調査をあげることができる。国民栄養調査は,国民の栄養摂取状況と,それに関連した身長・体重・血圧などの身体状況調査を行なうもので,毎年継続して実施されている。調査客体は厚生省調査地区を母標本として,毎回180地区を層化無作為抽出法によつて抽出し,約9,000世帯の全員について調査を行なうものである。
日本人の血圧は戦後しばらくの間,栄養低下の影響をうけて全般的に低かつたが,最近では戦前の状態に復している。ここ数年間の資料を比較すると,若年層ではほとんど変化がない。老年層でも平均値で数mmの差の程度である。したがつて,この統計資料は,一応日本人の血圧の全般的な状態をあらわすものとみてさしつかえない。最近公表された昭和37年度の調査結果をしめすと,表1のとおりである。
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