扉
日本人の髪型
斉藤 延人
1
1群馬大学脳神経外科
pp.951-952
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902435
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日頃から頭ばかりを見ているからという訳ではないが,時代劇で使用している髷(まげ)のかつらが妙に気になる.現実にはあのように整いすぎた髪型の人はいなかったに違いない.
もみあげがあんなに下まで伸びている人はいないだろうし,もっとほつれ毛があるに違いない.月代(さかやき)も,髭の濃い人の髭剃り跡のように,夕方にもなれば五厘刈り程度に伸びていた人もいたのではないだろうか.剃毛も毎朝必ずきれいに剃り上げていたと考えるのは不自然で,中には無精月代をはやしていた人もいたのだろう.戦地においてはなおさらで,いつ首を掻かれるかわからないような状況で,他人に頭部の剃毛を任せるような気にはならないのではないだろうか.
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