原著
鉱山廃水の地下水におよぼす影響調査
土屋 文男
1
,
鶴田 剛介
1
,
真田 幸成
1
,
神谷 忠一
1
1札幌市東保健所
pp.517-519
発行日 1963年9月15日
Published Date 1963/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202719
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえがき
札幌市のT鉱山の選鉱廃水がⅠ市街の地下水を汚染し,飲用不適であるという苦情が地区住民の間にあり,昭和36年夏より該地区の地下水について2,3の調査を実施した。
T鉱山は昭和15年に同社の他所で採堀される鉱石から亜鉛鉱,鉛鉱および硫化鉄などの浮遊選鉱を事業として発足し,戦後,一時休止したが26年に再開し今日にいたっている有数の鉱山である。T鉱山の発足当時は操業も小規模であり,かつ選鉱廃水も少なかったのでその廃水による地下水の汚染などの問題も起らなかったと思われ為,しかし,最近事業の伸展するにしたがい廃水量も増大し,加うるに当市の異常な発展とともに増加した同市街の人口と,その住民の衛生知識の向上が,これらのことを大きな社会問題として取上げられるにいたったものと考えられる。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.