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文化文明の蔭に下水あり
宮脇 俊夫
1
1厚生省公衆衛生局水道課
pp.36-37
発行日 1959年4月10日
Published Date 1959/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201842
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人間の文化文明生活の蔭には下水ありで,その量は一人当り150立〜300立,上水道の給水量と略々同じ量です.人間の密集する市街地では一日4,5粍の雨量,即ち降りみ降らずみの春雨に相当します.この汚い春雨の流れかつ停滞する処即ちどぶであり,文化文明生活もどぶの生活となります.
糞尿も御下品な話題とすまされなくなりました.1人1立の排泄量も10万人で100屯,10日で1,000屯…….糞づまりの果て,丈余の崖上から海中投棄の已むなき一都市では「黄金の滝は今尚解消されず,為に夏は市街地に臭気ただよい,冬はし尿が霧となつて四散する云々」と切々胸をつくものがあります.
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