現代の環境問題・2
水質汚染—有機塩素系溶剤の地下水汚染
山根 靖弘
1
Yasuhiro YAMANE
1
1千葉大学薬学部衛生化学
pp.332-334
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900095
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わが国における地下水汚染はクロム,水銀,カドミウムなどの重金属による汚染などが知られているが,最近では有機塩素系溶剤すなわちトリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,1,1,1-トリクロロエタン(以下「トリクロロエチレン等」という)や四塩化炭素などによる汚染が問題視されている.
地下水は,表流水の涵養源として重要であるほか,一般に水質が良好であること,水温の変化の少ないこと等により,水資源として高く評価されている.わが国でのその水使用量の約1/6,都市用水(生活用水および工業用水)については約1/3を占め,水道を通じ全国の3,000万人の人々の飲料水となっているし,約200万戸の家庭の飲料水として用いられている.
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