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序論
本邦の産業部門に於ける眼災害の統計は,既に多数の報告がある。即ち従来より,各種工場,炭坑,運輸関係,農業等各方面の文献が見られてきた。而し之等の統計も戦後に於ては甚だ少い様である。最近,属氏は,この点に着目されて,製鉄工場の眼公傷について精細な統計観察を報告された。氏の言及された如く,1947年労働基準法に伴う労働安全衛生規則の施行以来,労働災害は著るしく減少を来しつつある様である。
私は最近,一金属鉱山従業員の眼災害を診療する機会を得たので,その統計的観察を試み度いと思うが,由来,金属鉱山に関する災害統計は,極めて少く,戦前に僅か田村氏の報告(昭8)がある他は,戦後に於ても見当らない。従つて,この機会に最近の金属鉱山眼災害の実態を観察し,同時に,戦前のものとして先述の田村氏の報告と,更に坑内作業として略々同様の労働条件下にある炭坑の場合の,杉本氏の報告(昭11)と共に,比較検討し度いと思う次第である。
The statistical studies of 303 casese (342 eyes) of eye injury which occured during this four years was made from the view point of the frequency, sex, age, season, month, time, side of affected eye, classification of injury, cause and prognosis of vision.
These rate were relatively low in comparing with the previous statistics (before the 2 nd World War) at the metal and coal mine.
The precautionary measures was discussed.
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