原著
九州・北海道等の炭鉱従業員寄生虫相の比較研究—第11報近在の農村との比較
佐々 学
1
,
田中 寛
1
,
三浦 昭子
1
,
白坂 竜曠
2
,
松本 克彦
2
1東京大学伝染病研究所寄生虫研究部
2東京女子医科大学寄生虫学教室
pp.515-516
発行日 1963年9月15日
Published Date 1963/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202718
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我々はこれまで三菱鉱業に所属する北海道,東北,九州などの炭鉱従業員およびその家族について寄生虫検便による腸内寄生蠕虫の分布状況の調査と,駆虫および環境衛生改善による駆除効果の観察を行なってきたが,1960年度には北海道,東北,九州のこれら炭鉱に近い農村をえらんでほぼ同じ方式による寄生虫検便を行ない,その成績を炭鉱従業員の成績と比較してみた。
北海道では美唄市郊外の中村部落について1960年9月6日に採便の上,急行便で伝研に送り,これまでの炭鉱検便と同様の方法で検査した。山形県立川町は油戸炭鉱の近くにある農村で,添津・荒鍋・三ガ沢の3部落を対象に1960年4月20日に採便したものをこれまでと同様の方法で東京の伝研に送り検査したものである。長崎県の西海村は崎戸炭鉱の対岸にある農村で,七釜と中浦の両部落について1960年9月10日に採便の上,我々が現地で塗抹法を実施し,培養法は東京にもちかえり実施した。なおこれらの農村の検便には,塗抹と培養を併用しその綜合成績について検討を行なったものである。
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