原著
赤痢菌のペニシリン感受性とその臨床的適用について
大原 徳明
1
,
羽賀 正夫
1
,
嶋貫 実
1
,
渡辺 正男
2
,
大串 章
2
,
長浦 小一郎
2
,
佐藤 健象
2
,
兵藤 三郎
3
1福島医大・小児科学教室
2福島医大・衛生学教室
3福島医大・細菌学教室
pp.470-475
発行日 1961年8月15日
Published Date 1961/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202434
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緒言
最近,細菌性赤痢の治療において各種抗生剤に対する薬剤耐性の問題が取りあげられている。実際に,分離された赤痢菌のStreptomycin(SM),Tetracycline(TC),Chloramphenicol(CP)に対する高度の薬剤耐性についての報告も,昭和30年以降続々と報ぜられ1)2)3)4)また,これら抗生物質の多剤耐性菌による集団赤痢も経験されるに至り5),治療上のみならず公衆衛生の面からも重視されるに至つた。われわれも昭和35年福島県において分離された赤痢菌について抗生剤薬剤耐性を検討するとともに,従来Gram(-)の桿菌には感受性なしとして使用されていないPenicillin(Pn),Leucomycin(LM),Erythromycin(EM)等の赤痢菌に対する感受性も検討し,あわせて臨床的実験も試みた結果,興味ある知見を得たので報告する。
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