Japanese
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連載 臨床医のための微生物学講座・Vol.2
赤痢菌・サルモネラ・ビブリオ/コレラ
Shigella, Salmonella, and Vibrio
泉谷 秀昌
1
,
荒川 英二
1
Hidemasa IZUMIYA
1
,
Eiji ARAKAWA
1
1国立感染症研究所細菌第一部
キーワード:
細菌性赤痢
,
腸チフス
,
パラチフス
,
サルモネラ症
,
コレラ
,
腸炎ビブリオ
Keyword:
細菌性赤痢
,
腸チフス
,
パラチフス
,
サルモネラ症
,
コレラ
,
腸炎ビブリオ
pp.529-533
発行日 2024年2月10日
Published Date 2024/2/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28806529
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◎赤痢菌,サルモネラ,ビブリオは,いずれも腸管感染症起因菌の代表的な存在であり,当該菌に汚染された水や食品を介して感染する.細菌性赤痢,腸チフス・パラチフス,コレラの起因菌(赤痢菌,チフス菌・パラチフスA菌,コレラ菌)を含んでおり,これらはいずれも感染症法で3類感染症にあたる.サルモネラ(非チフス性)は家畜・家禽などの食用動物から爬虫類・両生類などの変温動物まで幅広い生物がリザーバーとなり,多くの国で食中毒の主要な起因菌となっている.ビブリオは海水などの水中に存在する環境細菌であり,腸炎ビブリオなど魚介類を介して食中毒を発生させる.赤痢菌,チフス菌はヒトが主なリザーバーであり,保菌者によって環境,水,食品が汚染されることで感染が広がる.喫食情報や海外渡航歴などに注意して聞き取りを行い,診断および疫学調査に生かすことが重要である.
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