研究
Erythromycinは多剤耐性赤痢菌に感受性を有するか
和嶋 毅
1
,
水島 淳
1
,
元永 悦子
1
,
高橋 祥子
1
WAJIMA TAKESHH
1
1山口県立医大臨床病理
pp.539-541
発行日 1963年7月15日
Published Date 1963/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906140
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Erythromycin(EM)はグラム陽性菌およびNeisseria,HernophilusおよびEscherichia等のEnterobacteriaceaeに効果がないといわれている。1)2)
山口医大臨床病理部で私たちは,赤痢患者より赤痢菌を検出し,ディスク法で薬剤感受性試験を行なっているうちに,たまたまStreptomycin(SM),Chloramphenicol(CM),およびTetracycline(TC)を含む多剤耐性赤痢菌株の中にEMにかなり感受性(廾)を示すものを観察した。これは従来発表されているEMの抗菌スペクトル2)と合致しなかったから,ある臨床家から検査に欠陥があると指摘された。しかし三剤耐性赤痢菌がEMに感受性を有すると判定せざるを得ない例に再々遭遇するので,ディスク法の信頼性を検討し赤痢菌のEM感受性の有無をはっきりさせようと思った。そこで栄研ディクス,昭和ディスクによりSM,CM,TC耐性でEM(++)以上の感受性を有すると判定された赤痢菌株を改めて希釈法(寒天法,ブイヨン法)で薬剤感受性を吟味し,ディスク法の成績と比べ,ディスク法によるEM感受性赤痢菌が果して希釈法によってもそう判定されるか否か調べて見た。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.