綜説
未熟児と保健所
船川 幡夫
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
pp.293-297
発行日 1959年5月15日
Published Date 1959/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202135
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(1)はしがき
最近の乳児死亡率の低下は著しいものがあり,それに比しては,新生児死亡率の低下が緩慢であることはつとにとなえられているところである。この間の消息を更に詳しくみる1つの方法として,仮に乳児死亡を,新生児死亡と新生児期以後の乳児死亡とにわけて比較してみよう。
表に示すように,昭和27年を境として,新生児期以後の死亡が,新生児期のを下廻るようになつている。更にこの関係を,乳児死亡率の低い代表的な欧米諸国と比較すると,夫々新生児期以後の乳児死亡は,新生児期の死亡の3分の1程度にまで下つている。即ち,乳児死亡のこれ以上の防止のためにはどうしても新生児期に手をつけざるを得ない情勢となつている。
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