仕事の反省と改善のために 批評
未熟児問題雜感(その2)
船川 幡夫
1
1国立公衆衞生院
pp.54-55
発行日 1958年3月10日
Published Date 1958/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201603
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未熟児問題はその出生防止が第一といつても,これこそという有効適切な具体策というものは,現在のところ,残念乍らない.結局は,母性保健指導の強化ということに過ぎない.従つて,可能性のある出生誘発の因子を出来るだけ遠ざけ,妊婦指導を行つたとしても,未熟児の出生はさけられない.
公衆衛生の面で,特に問題となるのは,家庭内出生の未熟児の養護であろう.医学的な面だけの解決では,家庭内養護の完ぺきは期し得ない.例えば,酸素使用が明かに適応の症例に対しても,酸素の使い得ない場合がいくらでもある.経済上の問題も加わつて事情は,施設内分娩よりも場合によつては,複雑となる.この意味で,家庭内出生の未熟児養護に際しての経費負担の問題が早く解決されなければならないし,又国民生活の向上が根本問題ということが痛感される.
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