特集 公衆衛生と保健婦
周囲の無理解を如何に打破するか?
大場 そと江
1
1世田谷保健所
pp.31-32
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201858
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周囲の無理解と言つても,私達保健婦の周囲には上司あり,同僚あり,対象者あり,関係機関の人々ありで,そのうちのどれか1つでもうまくゆかない場合,私達の仕事はスムースに運ばなくなり,"どうしてこう理解されないのだろう",と嘆いているのです。それ程に私達の周りには,それぞれの性格や立場によつて考え方の違う人達ばかりで,考えると全く大変な仕事だと思います。
この間,私達の仕事を実際に見,聞きされた或る作家が,私達を称して"保健婦さんの仕事つて全く色気ぬきの接客婦で寸時も気をゆるめることの出来ない大変なお仕事ね"と驚嘆され,又"自分の意志を通そうとすれば,役所や村の枠からはみ出て苦労をし,人間関係の調整をうまくしようとすれば,自分を押えて人を動かすことが上手になるけれど,長く続ければ自分がスポイルされて了うでしようし,どちらも上手く出来なければ惰性的なこと勿れで終つて了うでしようしね"と,私はこの言葉にヒヤリとして,あらためて私達の仕事を省みさせられたのです。
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