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病院と管理(その14)—病院医師は如何にあるべきか——その1
吉田 幸雄
1,2
1厚生省医務局医務課
2病院管理研修所
pp.9-14
発行日 1950年8月1日
Published Date 1950/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200186
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27 オープン・システムと関聯して日本の病院の医師のあり方の検討
前号で,オープン・システムの問題に触れたが,更にこの問題から従来の日本の病院での医師のあり方について検討を加えて見る必要がある。
即ち,現在オープン・システムの問題が論ぜられているのは,(1)開業医師の側から,医療法13条の実施に対応して,病院を開業医に開放すべきであるという声と,(2)公的病院を運営する側から,病院は民衆の為に運営するのであつて,病院の医師の為に運営するのではない。従つて,従来の如く病院と開業医が対立することは思わしくない。何どか病院と開業医が一体となつて病院を活用する方法を考えねばならない。という2つの側から考えられて来ている。そこで(1)の問題は当然取り上げるべき問題ではあるが,病院はそもそも医師の利益のみによつて運営すべきではないから,当然(1)の問題は考慮に入れるとしても,(2)の考え方を根拠として考え,更に一層根本的である病院が民衆の為に積極的に活動しうる態勢に置く為にこのオープン・システムをも取り入れるという考えを持つべきではなかろうか。
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