特集 公衆衛生と保健婦
保健所におけるクリニツク
大津 秀子
1
1杉並西保健所
pp.34-35
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201859
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公衆衛生のたそがれという言葉が関係者の間でかわされているこの頃,日本の現在は最低なのでしようか。昨年国会を通過した結核予防法の一部改正により32年度から住民健診も国が負担する様になつたし,化学療法の適用の巾もひろめ技術的な研究も加えられて来た。児童福祉法による肢体不自由児の為の育成医療の予算も年々上昇線をたどつている様である。
生めよふやせよと呼ばれた戦争の最中,食糧不足,乳製品も不足がちのなかで必要なカロリーまで高めるために母親と共に取り組んだ時代から占領政策による衛生行政を含めた保健所がスタートして10数年,独立後の反動は公衆衛生に集中し保健婦への風当りは骨身にしみたものである。この風雪にたえられたのも仕事への情熱と努力が支えたものであつた。
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