特集 精神衞生
双生兒研究からみた人格の問題
井上 英二
1
1東京大学医学部腦研究室
pp.15-18
発行日 1953年9月15日
Published Date 1953/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201260
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1.医学における人格研究の意義
人格という問題は,古くから心理学でとり上げられてきた問題である。最近になつて医学でも,人格の問題の重要性がようやく認められ,心理学の立場とはかなり異つた観点からする人格の研究が行われるようになつた。人格という言葉の意味について,ここで定義づけることは困難である。しかし,人格という言葉が到る処で濫用されている現在,おおよその概念の輪廓をのべておくことは必要であろう。
医学には体質という概念がある。これはやはり定義づけることは困難であるが,ある刺戟に対する反応の個体差と,種々の反応の間にみられる連関,ひいては1つのまとまりをもつた反応の体系という意味をもつている。
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