臨床實驗
水晶體偏位を伴えるアラヒノダクチリー—2家系特に双生兒に現われたる例
齋藤 俊夫
1
,
大川 勉
1
1名大眼科
pp.445-448
発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201179
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緒言
Arachnodaktylie蜘蛛状指趾(Achard)に就いては1896年Marfanが初めて記載し,その後小兒科眼科方面に於て興味を喚起し内外文献として多數の報告例がある。外國に於ては1913年We-veが從來報告せられた諸例及び氏の體驗せる23例に就いて詳細調査せる結果,本症をDystrophiamesodermalis congenita, Typus Marfanとして「先天性中胚葉性組織發育障碍」による系統的獨立症候群Marfan's Syndromなりと述べた。我が國に於ては大正13年中泉行正氏が「種々なる奇型を伴う水晶髓偏位症の1例」として報告以來眼科領域に於て既に20例に餘る報告あり,園田,梶,山内,池田,田上,木下,早川等の諸氏により各方面に亙り調査研究せられている。
Marsan's Dolichostenomelie又はPfaundlerAkromakrieとも云われ全身所見は年齡に比し長身痩羸著明,特に中胚葉系統の組織發育障碍あり皮下脂肪・筋肉靱帶・腱の發育不良のためChon—drodystrophieと丁度對蹠的に,四肢細長く特に指趾にその状著明にして恰も生ける骸骨の如く,蜘蛛状指趾のその名の如く奇異の觀を呈するものである。(從つて顔面長く頭部長大・耳翼比較的大・口蓋高く彎曲し胸廓は鳩胸又は漏斗胸を呈し脊柱彎曲せること多し。扁平足・内飜症を多く見る。)
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