座談會
結核豫防法施行一年を顧みて—下
石垣 純二
,
聖成 稔
1
,
鵜鳥 修男
2
,
鈴木 佐内
3
,
岡西 順二郞
4
,
砂原 茂一
5
,
有住 一信
1厚生省結核豫防課
2神奈川縣衞生部
3武藏療園
4小石川保健所
5東京療養所
pp.24-30
発行日 1952年8月15日
Published Date 1952/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201087
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審査協議會
聖成 いろいろの矛盾もあるんですがね。たとえば砂原さんのような,日本でも代表的な立派な療養所で先生方が診られて,こういう患者にはこういう治療が必要だ,從つてこれに該當する,という場合でも審査協議會にかかるわけですね。その保健所が東京都の保健所で,立派な審査員がお揃いのところならまだいいと思うんですが,患者が地方の人だと田舍の審査協議會にそれがかかるわけです。すると田舍によつては五人が五人,結核のエクスパートに委囑することの困難なものが澤山あるんですね。それで東京の大先生が診定されたものを審査するというのはおかしいじやないか,歴とした國立の療養所の場合はそこの御意見を無條件に承認していいんじやないかということは私,立派にいえると思うんですよ。ところが今度行政當局でそういうことを考え出しても,どこでその線を切るか,國立療養所といつてもピンからキリまであるんでね……。
岡西 私のところじやレントゲン寫眞にも全部黒い紙を貼つて,申請のお醫者さんを伏せて,何も知らないでやるんですよ。それでも大體見當がつく。これは都内の國立療養所,或は都外の療養所,或はその他の開業醫か,その診斷がピタツとつきますね。「これは國立療養所だろう」というと「そうです」という。「これは都じやない」というとピタツと合う。だんだん向上して行くんじやないんですか。
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