地方だより
三原市結核世話委員會の活動
永田 三六
1
1三原保健所
pp.31-32
発行日 1952年8月15日
Published Date 1952/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201089
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設立の經緯
結核患者の死亡が半減したと云うので今年は其の祝典が催された。眞に喜しいことで御同慶に耐えない。而し要するに國の結核に對する對策が積極化されて來たことゝ之に答える國民の協力に依るもので一般國民の結核に對する知識の向上と結核と云う病氣に對する關心が深められた結果である事は疑う餘地はない。而し結核患者の死亡が減少したことはそれだけ療養中の患者が増加したものと考えてもよいだろう。或は此のことが今後の醫療社會事業に與えられる大きな問題となるかも知れない。
國は昨年結核豫防法をつくり結核の豫防患者の治療に多額の經費を計上したが相手は現在國民病として國民生活の中に浸みこんでいる結核である。全國700餘の保健所は今結核豫防撲滅運動を旗印に活躍して居るが之が如何に適正に運營されて,どれだけの成果を得るかは民間の協力なくして得られないことゝ思う。
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