座談會
結核豫防法施行一年を顧みて(上)
石垣 純二
,
聖成 稔
1
,
鵜島 修男
2
,
鈴木 佐内
3
,
岡西 順二郞
4
,
砂原 茂一
5
,
有住 一信
6
1厚生省結核豫防課
2神奈川縣衞生部
3武藏療園
4小石川保健所
5國立東京療養所
6上北澤友の會
pp.12-18
発行日 1952年7月15日
Published Date 1952/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201067
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石垣 「結核豫防法施行一年を顧みて」というこの座談會の目標は,施行一年間のいろいろな教訓をお互に話合いまして,今後の運營に大いに參考にし厚生省,或は府縣側に希望を傳えて今後の行政に反映していただきたいというんです。一つザツクバランにお願いしたいと思います。
聖成 一年間の回顧話と申しましても,私は昨年の7月の初めに結核豫防課長を拜命したわけですから,正確にいうと私個人として一年間を云々という資格はないのですが,たとえば醫療費の公費負擔の制度であるとか,或は健康診斷の規定を法制化したとか,從來に見ない大きなスケールの結核對策が展開されるということになつた。しかしよく考えてみますに,丁度新らしい年度を迎えまして,昭和27年度の結核對策はいかにあるべきか考えてみますに,醫療費の公費負擔も初めてのことでいろいろ批判もあり,また再檢討を要するものも非常に多いことを痛感したわけです。或は豫防接種の面からいうと昨年例のB. C. G. 騒ぎがございまして,これも新らしい年度に新らしい氣持でやつてゆかなければならないと思います。いずれにしても新らしい豫防法は畫期的な計畫でしたが,どうも軌道にのつたという感じはまだ致さない從つて昭和27年度は,一面は現在行なわれている結核豫防法を中心とする結核對策を再檢討して將來の改善も考えなければならないし,一方にはこれを軌道にのせて改めてゆかなければならない。
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