研究報告
百日咳ワクチンの豫防効果に就て
小山 武夫
1
,
岩谷 耕二
1
,
目黑 勝郞
1
,
長尾 貞一
1
,
岡田 貫一
1
,
高木 剛一
1
,
佐藤 忠久
1
1東京都衞生局
pp.21-24
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201023
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Ⅰ.緒言
吾が國に於ける百日咳ワクチンの豫防接種は既に40年前より施行され,その効果に就ては多年賛否交々であつたが,近年になつて殆んど無效であることか多數の臨床家によつて認めらるゝに至つた。その理由は主としてワクチンの菌株が患者から分離後累代培養を繼續した陳舊のものであることゝ,接種量が僅少であることに基因したものゝようである。この點に關しては小山の夙に指摘する所であり,又小山著『百日咳の豫防1にも詳述してある。
終戰後連合國軍總司令部の指示に基ずき,吾が國の百日咳豫防ワクチンは一定の基準を有し,國家檢定に合格したものゝみが販賣を許可せられ,その接種は法律の規定する所に從つて施行されるようになつた。而してワクチンの製法は主としてアメリカのミシガン州衞生局研究所の基準に則つとり,力價檢定法はKendrick及びその共同研究者2の提唱したマウス感染防禦試驗に最重點がおかれていることは周知の如くである。
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