論述
最近に於ける百日咳の豫防(第一囘)
小山 武夫
1
1濟生會乳兒院
pp.160-168
発行日 1948年7月25日
Published Date 1948/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200319
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百日咳は外界から,Bordet-Gengou菌の侵入を第一要約とし,更に個體が百日咳免疫を有せざる場合に發病が成立する所の純然たる體外性疾患である。從つて本病豫防の要項は本菌の侵入を防ぐを以て第一義となし,個體への免疫賦與を以て第二義とすべきは論を俟たざる所である。本菌の侵入を防ぐためには患者との直接の接觸を避ければよい。茲に於て患者の隔離が問題となつて來る。而して百日咳は發病初期程感染し易い疾患であることは臨牀上周知であるが,又本院石山,杉田氏等の詳細な實驗に基づく病期による菌檢出成績に照らしても明瞭であるから隔離は速かに行ふことが肝要で,從つて早期診斷の必要に迫られる次第である。早期診斷に就ては近刊の拙著「百日咳の豫防」に讓つて茲には省略する。
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