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世界を結ぶ衞生教育—衞生教育の先覺者ターナー博士と語る
齋藤 潔
pp.108-110
発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200776
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昭和25年夏から秋にかけて,アメリカ公衆衞生視察の旅を終えて歸朝した筆者は,今日の衞生教育Health Educationの先覺者であるターナー博士Clair E. Turnerと逢つて,一別以來10數年間の世界の衞生教育の動きと,現状や將來について共に語ることの樂しみも,この度の渡米の大きな收獲の一つとしていた。ターナー博士は,今から30數年前アメリカで芽生えた公衆衞生教育の最初の機關であるボスドン市のマサチューセッツエ學院(Massachusetts Institute of Technology=M. I. T.)で衞生學を學び,衞生教育を一生の專門とし,遂に今日の衞生教育の理論と實際とを打ち樹てた人である。彼の歩んだ今日までの衞生教育一本道は,30數年を經て,尚今その道に精進している。
彼は同工學院の教授となり,次でハーバート大學公衆衞生學部教授として,各種衞生教育機關の指導者として,その教育機關の創始者として滿身の努力をつゞけた。今から10數年前には,わが文部省の招きでわが國各地で數ヵ月の講演旅行もせられた。わが國學校衞生教育の今日の進歩は博士に負うところが大きいことを,知られない人々が多いかも知れない。筆者も10數年來その消息を知らなかつたが,終戰後國際連合内の世界衞生機構からの印刷物で博士の活動の樣子を知つて,再會の日を樂んでいた。
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