衞生教育あれこれ

　保健衞生のことについて，私たちは，どんな知識をもつているだろうか。日頃，何を實行しているだろうか。こう云つたことについて，町や村の人たちを對象にして，調べてみた。その結果は，村によつて，町によつて，それぞれ特徴があつて，知つていることや，實行していることにかなりの差のあることを見出した。例えば，ある村では，蚊を防ぐには，「水だまりを無くす」と多くの人が答えるかと思えば，他の町では，DDTを使うと答える人が多い。また，蝿の驅除をするには「便所に藥をまく」と答える人の多い村もあれば「ゴミを片づける」と答える人の多い町もある。結核を豫防するには，どうすればよいか，と云う質問に對しても，やはり，村によって，それぞれきまつた答えをする傾向がある。

　私は，この事實に大變，興味を感じている。なぜならば，町や村では，指導者の指導が，實によく行きわたることを示しているからである。事實これ等の村や町の指導者（役場の衞生係）の意見をきいて見ると，きまつたように，多くの人が答えると同じような答えをするのである。