紹介
ソ連邦の公衆衞生瞥見
西村 孝四郎
1
1國立東京第一病院外科
pp.226-231
発行日 1946年12月25日
Published Date 1946/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200080
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10月革命が成功すると,直ちに勞働保護及勞働者保健の布告が發表され,醫療藥局國營,社會保險制度の妊産婦保護其他防疫に關する法令が公布された。翌1918年6月には保健人民委員部が創設されて,ソ連邦の全保健衞生業務が取扱はれることになつたが,此の國の保健衞生行政の目的を一言にして云へば勞働力の確保と云ふべく,其の實施するところは豫防醫學重點主義と申すべきものであらうと思ふ。さすがに勞農ソビエト連邦の名の如く,勤勞者の福祉増進に關する國家の有機的諸施策は,保健衞生の方面に於ても極めて抜目ない方策を以て臨んで居るのであつて,國家建設途上に在る關係から未だ實現不十分のところも有るが,常識的に考へて,まづ理想的と思はれる事柄は概ね實施しつゝある。1919年第8囘共産黨會議で「國民保健に就ては先づ疾病豫防のため廣範圍の保健竝に衞生施策を實施するを要す。
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