連載 公衆衛生ドキュメント―「生きる」とは何か・17
セミパラチンスクの悲劇―旧ソ連邦
桑原 史成
pp.614
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100128
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東西の冷戦が始まって数年後の1949年に,ソビエト連邦はカザフスタンのセミパラチンスクの広大な草原で原爆の実験を開始した.アメリカが広島と長崎で原爆を投下してから4年後のことである.
掲載の写真は1993年に撮影したものだが,実験場はカザフスタンの西方120kmのところにあった.その面積は日本の四国ほどに匹敵するが,爆心地は草も生えない不毛の地と化していた.1991年に旧ソ連邦は崩壊し,同年12月16日に,カザフスタンのナザルバエフ大統領は実験場の閉鎖令を出している.それまでの40年間に約470回の原爆実験が繰り返されてきた.
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