特集 NCD(非感染性疾患)対策
わが国のがん検診の現状と展望―諸外国の動向との比較
祖父江 友孝
1
1大阪大学大学院医学系研究科環境医学
pp.337-341
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103010
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はじめに
2006年にがん対策基本法が成立し,2007年にがん対策推進基本計画・都道府県がん対策推進計画が策定されて,わが国においても,がん対策を総合的かつ計画的に推進する方向性が示された.2002年にWHO(world health organization)も国家的がん対策プログラム(National Cancer Control Programmes)の推進を提唱している(WHO, 2002).その目的は,第1に,がんの罹患率と死亡率を減少させること,第2に,がん患者とその家族のQOL(quality of life)を向上させることである.この2つの目的を達成するため,予防・早期発見・診断・治療・終末期ケアからなる一連のがん対策において,証拠に基づいた戦略を系統的かつ公平に実行し,限られた資源を効率よく最大限に活用することが求められる.がん検診は,がん対策の中でがん死亡率を減少させるための重要な方策の1つである.本稿においては,わが国におけるがん検診の経緯と現状,欧米における状況との比較,今後の方向性について概説する.
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