特集 地域福祉
諸外国における地域福祉の動向
高瀬 智津子
1
Chizuko TAKASE
1
1和泉短期大学
pp.822-827
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206957
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■はじめに
各国の社会福祉は,その国の政治,経済,社会,文化的諸条件を反映し,それぞれ独自の発展の途をたどっている.しかし世界的動向から福祉政策(対人サービス)をみると,地域社会を拠点とし,児童や高齢者,心身障害者などの福祉充足の上で地域や家族が,大きな役割を果すべき方向で見直されている.また,福祉対象者も貧困者や特別なニードをもつ者だけを,社会的責任において保護する政策から,個人の自立・自助努力を基本的目標とし,公私が共に協働しあう中で対象者が,地域社会の中で人間らしい生活を営むことができるよう,国民一般に拡大されてきている.
ここでは紙面の都合上,高度工業先進国であり,福祉国家であるイギリスと,特に最新の資料が入手できたアメリカとりわけ,福祉が最も進んでいるカリフォルニア州を中心にとりあげる.発展途上国については,筆者が昨年参加したアジア,西太平洋地域社会福祉会議(バンコックで開催)から得た資料に基づいている.
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