特集 NCD(非感染性疾患)対策
地域におけるNCD対策の現状と課題について―沖縄県の場合
国吉 秀樹
1
1沖縄県保健医療部
pp.342-347
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103011
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
平成25(2013)年2月28日,厚生労働省は平成22(2010)年都道府県別平均寿命を発表した1).都道府県のランキングで,沖縄県は男性で30位,女性で3位となっており,5年前と比べ,男女とも順位を落とす結果となった.特に女性は昭和50(1975)年以来守り続けていた首位の座を譲ることとなり,発表の衝撃は大きかった.この平成22(2010)年の都道府県別生命表では,沖縄県男性は79.40歳で,平成17(2005)年の78.64歳に比べて延びており,女性も87.02歳と平成17(2005)年の86.88歳を上回っているが,ランキングを落としたため,長寿県沖縄のイメージが崩壊したと捉えられた.県では発表当日,担当部長と当時担当課長であった筆者で記者発表を行った2)が,会場には多くの報道機関が集まり関心の高さがうかがえた.開会中であった県議会でも,この話題について多くの議員が質問に取り上げ,ランキングを下げた原因や長寿復活への方策を聞いた.単に長生きというだけでなく,年を重ねても健康で自立している健康寿命を延ばすことが重要だが,本県においては,長年の長寿県のイメージもあり,健康長寿の復活を目指していく.本稿では,改めて沖縄県の健康の現状,特に非感染性疾患(non-communicable disease;NCD)対策の現状と課題について述べ,これからの戦略について概観する.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.