特集 NCD(非感染性疾患)対策
NCD対策におけるたばこ対策の重要性
中村 正和
1
1大阪がん循環器病予防センター予防推進部
pp.331-336
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103009
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喫煙による健康被害と経済損失の現状
1.喫煙は予防できる最大の死亡の原因
日本人の死亡の原因を分析した研究によると,喫煙による超過死亡数は年間約13万人で,高血圧の約10万人と並んで,死亡原因としての寄与が大きいことが改めて確認された(図1)1).喫煙は,がんと呼吸器疾患死亡の最大の原因であり,循環器疾患死亡については,高血圧と運動不足に次いで3番目の原因である.また,受動喫煙による超過死亡数は肺がんと虚血性心疾患に限っても年間約6,800人2)と推定されている.
わが国の喫煙率は近年減少しているが,過去のたばこ消費による長期影響と急速な人口の高齢化によって喫煙による超過死亡数は今なお増加している現状にあり,喫煙率を短期に大幅に低下させることが喫緊の課題である.
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