特集 救急医療
外国と比較してのわが国の救急体制
岡村 正明
1
1東京消防庁
pp.372-381
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204674
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交通事故による負傷者のみでなく,急激に変化しつつある私達の生活環境の中で発生するさまざまの事故による犠牲者に,如何にして適切な医療を提供するかということは,一人わが国だけの問題ではなく,世界の各国それぞれにとっても重要かつ緊急の課題となっている.また,事故のみでなく,内因的な疾病であっても緊急に医療が望まれるものに対しても,例えば死因のトップグループを占める急性心臓疾患,あるいは緊急手術を必要とする腹部疾患等々,このような場合にも十分な医療が提供されることが望ましいことはいう迄もあるまい.
一方,事故や急性の疾患は,その発生する場所,時間ともに何れもこれを予定することは不可能であり,このことは適切十分な医療をしかも限られた時間という厳しさの中で可能な限りすべての国民に平等に提供しようとすることとは逆に色々の面に渉って非常に困難な条件となってくる.
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