講座 アンチエイジング・2
アンチエイジングと栄養
吉川 敏一
1
,
青井 渉
2
Aoi Wataru
1
1京都府立医科大学大学院消化器内科学
2京都府立大学大学院生命環境科学研究科
pp.1011-1016
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101532
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はじめに
従来の医療が病気の治療を目的としていたのに対し,アンチエイジング医学の目標は,疾病を予防し,生理機能の衰えを防いで健康長寿に導くところにある.アンチエイジングの実践では,食事療法,運動療法さらには精神療法を取り入れて,生活習慣を改善することが基本となる(表1).また場合によっては,科学的根拠の確立されているサプリメントや一部の薬物(ホルモン補充,免疫強化など)を利用したり,鍼灸や音楽,アロマなどの代替療法を取り入れたりすることも有効であると考えられている.
このようななかで,日常の食生活における適切な栄養摂取は,健康を維持し,老化を防止する目的において最前線に位置しており,アンチエイジングを実践するうえで欠かすことはできない(図1).食生活の乱れは生活習慣病の発症や進展に関わるとともに,加齢に伴う様々な生理機能の衰えを加速させてしまう.近年,老化研究,予防医学,栄養学,食品学の発展とともに,どのような栄養条件がアンチエイジングを実践するうえで有効であるのか明らかになってきた.
本稿では,アンチエイジング医療を実践するにあたっての食事,栄養条件について概説する.
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