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9月22~23日,さんぽ会(多職種産業保健スタッフの研究会)夏季セミナーが行われました(http://www.facebook.com/sanpokai).今年のテーマは「産業保健職のキャリアアップ」.困難化する現代の産業保健の業務に関わる医師,保健師,管理栄養士等の産業保健職は,どのようにスキルを高め,社会や企業のニーズに応じたキャリア形成をすれば良いのでしょう?臨床と比べて,ロールモデルやキャリアラダーが明解でないことが多いように感じます.例えば,学生からよく聞かれる「産業看護職に臨床経験は必要か?」という問いに対しても,立場や経験によって異なる答えがあります.今年のセミナーは「産業保健キャリアアップ道場~箱根路から始まる5年後の私」と題して,箱根DNP創発の森に1泊して行われました.
初日は,「5年後の私」を思い描くグループワークを行った後,日々活躍中の3人の「先輩」から「産業保健職のキャリア経験談とアドバイス」についてお話しして頂きました.まず産業医である岡本隆史先生(東京ガス株式会社)の体験談は,一見バラバラに見える産業医大,麻酔科臨床,米国留学,専属産業医,現在の所属学会等のキャリアが,実は学生時代から現在まで大事にしている「走る」ということで緩やかに繋がっており,その時々の気づきやモチベーションの維持に役立ったという,まさに故スティーブ・ジョブズ氏(アップル社の共同設立者の一人)の“connecting the dots”を彷彿とさせる内容でした.次に,保健師である岡久ジュン氏(東海大学大学院健康科学研究科)からは,人生の岐路となる節目節目で,自分を導いてくれる人との出会いがあったというお話を「人脈わらしべ長者」という図解で説明され,軽快な語り口調のサクセスストーリーに参加者全員が引き込まれました.最後に管理栄養士である野口佐奈絵氏(同友会春日クリニック)からは,専門職としてのスキルアップのみならず,身だしなみやマナー,表情や話し方も非常に重要であるとの説明があり,その不断の努力の姿勢に多くの参加者が感銘を受けました.その後,宮川恵美子氏(東京都鉄二健保組合)から,看護職向けの専門・認定制度などの紹介がありました.
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